「自分のコンプレックスから娘に苦労させたくなる」という、グサッとくるタイトルのトピがありました。

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 トピ主さんは小学生の頃から家事を押しつけられ、高校は奨学金で行き、バイト代は全て家に。高校卒業後も給料は全額家に入れるという日々を過ごしたそうで、「娘にはお金に不自由させたくないと思う反面、私のように苦労した方がいいと思ってしまう」とのことです。「中高くらいで色気づいて彼氏なんてできたらぶん殴りたい気持ちになります」とも。

 きっとトピ主さんも気がついていると思います。親や環境のせいでつらい思いをさせられたことと、子どもは関係ないということを。負の連鎖は断ち切るべきだということも。でも、子どもの頃から遊びも恋愛も我慢させられて育ったら、そんなふうに思ってしまうものなのでしょう。

 「苦労させたくない気持ちと苦労しろという気持ちでぐちゃぐちゃしてます。このままだと、毒親というやつになってしまいそうです」という苦しみは、ひどい人間だからではなく、環境(そして親)のせいです。心の傷が癒えていないから、娘さんにその傷を見せてしまうのでしょう。

 自分を責めるよりも、カウンセラーなどの力を借りてはいかがでしょう。怒りを吐き出し、自分が甘えたかったことも、やりたかったことも吐き出して、そして今の自分を大切にするのです。心の傷を癒やした先に、娘さんとの良い関係性が生まれ、相手を傷つけない術(すべ)も身につくとも思います。

 自分が子どもだった時に負った傷を子どもにぶつけてしまいそうになる時、それは自分を癒やす必要がある時。親なら誰でも大なり小なり思い当たる節があるお話です。

犬山紙子(いぬやま・かみこ) エッセイスト、タレント。1981年、大阪府生まれ。2011年、ブログをまとめた著書「負け美女」でデビュー。雑誌やテレビなどで活躍中。17年1月に長女を出産した。