交際相手から偏食を理由に別れを切り出されたという、30歳女性のトピを見つけました。

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 1年の交際を経たところで「結婚を考えたら無理だと思うから別れよう」と彼から切り出されたそうです。けれど偏食ぐらいで結婚を諦めるってアリですか? と、トピ主さんは納得できません。トピ主さんの母親もひどい偏食で、それでも結婚して子どもも育っているのだから問題ないのではないかと反論します。

 近頃は「週末婚」「別居婚」といったカタチもありますが、大方の結婚に関する見方は「一つ屋根の下で寝食を共にする」ではないでしょうか? 一緒に寝ることと食べること。それを一生続けるのが家族であり夫婦なのだ、と。となると、夫婦の関わりの50%は「食事」にあると言っても過言ではありません。

 同じものを「美味(おい)しいね」とお互い言い合いながら毎日過ごすことを、交際相手の男性は望んでいたのだと考えられます。

 おそらくトピ主さんはそのような「家族の食事」を経験したことがなく、結婚生活においてそんなことは重大でない、というような考えなのでは。育った家庭で植え付けられた価値観は強力です。「色んなメニューを美味しいねと言い合いながら食べる幸せ」を、おそらくトピ主さんは理解できないのだと思います。

 自分が大切にしたいものを相手が拒絶したら、人間関係はかなり危うくなります。だから、「食事なんか各々(おのおの)が好きなものを好きな時間に食べればいい」という価値観の人をトピ主さんが見つければいいだけのことだと思います。

 また、気が合わないけれど「女房の作る料理だけは旨(うま)い」と言って離婚しない男性もいます。結婚生活において「食事」は最も重要な案件なのです。

柴門ふみ(さいもん・ふみ) 漫画家、エッセイスト。1957年、徳島県生まれ。お茶の水女子大在学中から漫画を執筆し、代表作に「東京ラブストーリー」など。働く女性や恋愛をテーマにエッセーも手がけている。