あっという間に、そんな時期――。「サンタの正体明かさずにおこうか…小学5年」という心温まるトピを拝見。我が家のサンタは、今年は悩んでいるらしい。

 秋口に、6歳の息子は友達から、あるサンタ論を聞いてきた。それは、サンタの家の庭には「サンタの木」が生えていて、世界中の子どもたちが欲しいものを心で願うと、願いが実の中に飛び込み、その実がむくむく大きくなる。サンタの庭は子どもたちのわくわくがつまった木でいっぱいだ。クリスマスになると、サンタはその実からギフトを取り出して、届けるらしい。

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 絵本をヒントにイメージを膨らませた、とても素敵(すてき)なストーリーだが、困ったことが起きた。息子が、願うだけでプレゼントが実るから手紙を書かないと言い始めた。欲しいものがころころ変わるだけに、サンタさんとしてはできれば手紙が欲しいところ。だがまだ時間はある。案の定、師走の声が聞こえる頃、息子は新たなサンタ論に出合う。

 サンタの家にはいろいろな色の服を着たコビトたちがいて、彼らがプレゼントを作るそうだ。担当する国により色分けされ、日本はピンクや黄緑の優しい色。

 「結局サンタも妖精だからさ、妖精同士、手を組むんだよ。忙しい時期はさ」と一丁前な見解。よし、いまだ! 「じゃあ、コビトさんに手紙を書かなきゃね」

 「うん!」。心の中でガッツポーズをしたのも束(つか)の間……「僕、『名探偵○○』のスケボーが欲しい!」。大好きなアニメの主人公が乗りこなす、特殊機能満載のスピードと馬力を兼ね備えたスケートボード。もちろん非売品。

 我が家のサンタはいつもリクエストから少しずれ、既製品しかくれない。それでも枕元の夢は紛れもなく家族の思い出。それだけは確かだ。

杉上佐智枝(すぎうえ・さちえ) 日本テレビアナウンサー。1978年、東京都生まれ。「キユーピー3分クッキング」土曜、「ミヤネ屋」ニュースコーナーなどを担当。2児の母、絵本専門士。