職場結婚した妻が、当時の上司と不倫していた過去を隠していたことが許せません、という30代男性からのトピを見つけました。

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 結婚式の主賓スピーチをその上司に頼み、そのことを出席した同僚がみんな知っていたことも、トピ主さんの怒りに拍車をかけたみたいです。

 「なぜ妻は元上司と不倫していたことを黙って私と結婚したのか」とトピ主さんは言うのですが、自分の不倫経験を恋人に話す女性は、まずいません。

 「同僚たちが妻の過去を知っていて、私をばかにしたり哀れんだりしていたのかと思うと会社に行くのもつらいです」とのことですが、いやいや、オトナはそんなに暇じゃありません。同僚の不倫をいちいちかまっちゃいられないのが、社会人としてまっとうな仕事をしているオトナたちというもの。

 しかも、妻との間にはすでに子供もいるのですから、なんで今さらそんな昔のことを蒸し返すのでしょうか? 思うに、トピ主さんは自身の傷つけられたプライドと自己憐憫(れんびん)の海に溺れて冷静さを失っている状態なのでしょう。

 「妻には不信感でいっぱいです。心の中で何を考えているのでしょう」とあったので、私が妻の心の中を代弁してみました。「済んだこと、終わったことをいつまでぐじゃぐじゃ言ってるのよ! 今は妻として母としてちゃんとやってるじゃないの! ちっちゃな男ね!」

 トピ主さんが、妻や同僚や元上司を見返す方法はただ一つ。「妻が元上司と不倫していたことは知っていたよ。でもそれも承知で、彼女を幸せにできるのはこの世で俺だけだと思い、プロポーズした。おかげで、今や世界一幸せな家庭を築けているよ!」。こう言えばいいだけです。

柴門ふみ(さいもん・ふみ) 漫画家、エッセイスト。1957年、徳島県生まれ。お茶の水女子大在学中から漫画を執筆し、代表作に「東京ラブストーリー」など。働く女性や恋愛をテーマにエッセーも手がけている。